
2011年10月15日、私は会長と監督宛てに辞任文書を書いた。
10月30日をもってコーチを辞めたい、と。
理由は一つではなかった。
私は技術習得にこだわっていた。
長男の経験から、「こういう子をこれ以上増やしてはいけない」と
思っていた。
だからパスや守備より個人技術を優先した。
6年生には残り半年しかない。
中学へ行って困らない技術を身につけさせなければ、と焦っていた。
一方で、チームとしては結果も求められる。
理想は「うまくて強いチーム」だった。
しかし、結果は思うように出ない。
辞任文書には、かなり苦い言葉が並んでいる。
「『育成』に重きを置いてしまう自分がいて、
『結果』にはどうしても重きを置けず」
「蹴るサッカーに対し、文句を言うなど人間的に未熟な部分もあり」
「『自ら考えること』を小さいころから言ってきましたが、
なかなかそんな子ばかりではありませんでした」
そして最後には、
「今思えば、ほとんどが伝わらず、結果が出ませんでした」と
まで書いている。
当時の私は、相当行き詰まっていたのだと思う。
育てたい。勝ちたい。技術をつけたい。自分で考えさせたい。
努力してほしい。
けれど、子どもは一人ひとり違う。
保護者の考えも違う。
チームの考えもある。
自分の理想だけでは動かない。
だから、一旦リセットすることにした。
辞任後は、いろいろなチームの指導を見て、
ジュニアユースの試合を観て、
もう一度「ジュニア指導について」を考えたいと書いた。
どうしたら結果を出せるのか?
ポゼッション練習は何が効果的なのか?
うまい子、まだうまくない子をどう育てるのか?
辞める文章なのに、最後まで次の指導を考えている。
しかし、結局は辞めず、文書が良い振り返りとなり
小学校卒業までコーチを続けました。